【スポーツが子育てにどんな良い影響があるのかを考えるシリーズ、その3】
突然ですがフラストレーショントレランスという言葉ご存知でしょうか?
なんのこっちゃな言葉ですよね(笑)
ですが、今の子どもたちが一番身につけなければならないと言われているスキルです。
” フラストレーショントレランス ”を日本語にすると ” 欲求不満耐性 ”となります。
簡単に言ってしまうと思いどおりにならないことに直面したときに耐える力のことです。
世の中が豊かになり、便利になればなるほど、こども時代に思いどおりにならないことを経験する機会が極端に減ってしまいます。
欲しいものが比較的簡単に手に入り、おなかをすかせることもなく、暑い夏には涼しい部屋で、寒いときには暖かい部屋で寒さにこごえることもなく、ゲームのなかでの勝負では相手のレベルを選べたいていちょっとがんばると勝利者になれます。
しかしみなさんもご存じのとおり、大人になればなるほど思いどおりにいかないことが次から次へとやってきます。
思いどおりにならないことに対しての自分なりの向き合い方や対処の方法を知らずに成長してしまうと、何かを成し遂げようとする強さやが身に付かなくなるだけでなく、突然キレてしまったり、凶悪な行動に及んでしまうことさえあると言われています。
ある有名な心理カウンセラーがこんなことを話してます。
「今考えなければならないのは ”子供に大人がどこまでストレスを取りのぞいてやることが良いのか ”ということなのです。それは ” 子供にストレスがかかる現実に、親がどれだけ一緒に耐え忍べるか? ” という問題なのです。」
親は子どもの幸せを願います。そしてわが子になるべく苦労や、困難な思いをさせたくないと考え先回りをしていろいろなことをやってあげようとします。
そのことが結果的に成長の機会を奪ってしまっているケースは多いのです。
そんな現代だからこそスポーツの役割は昔より大きくなったと言えます。
たとえばサッカーをはじめたばかりの子どもは満足にボールをけることはもちろん、ドリブルもできない。パスは思った相手に渡らないし自分の欲しいパスはもらえない。厳しい練習に耐え、それでも試合にでればたくさんのミスをして、ボロ負けをしたりします。夏の暑さや、冬の寒さもしのがなければなりません。そしてそんな困難な状況に耐えたあとにほんの少しボールが蹴れるようになり、上達してたまには試合に勝つことができるようにもなる。
お休みの日に暖かい部屋で、お菓子を食べながら1日ゲームをしている生活とはずいぶん違います。
そんな状況を経験することで完璧にとはいきませんが、ある程度のフラストレーショントレランスが身に付き、困難に耐えてその先の成長や喜びをイメージすることもできるようになります。
もちろんスポーツだけとは言いませんが、スポーツに一生懸命とりくむことで少なからずこの能力は身に付いてくると考えられています。
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